Sasada

82年生まれ、キム・ジヨンのSasadaのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
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ああきつい。今までどれだけの才能が、台所のシンクに流れていっただろう。いったい何人の人生が、掃除機に吸い込まれていっただろう。

彼女たちが出世できないのは“能力が足りない”からか?
盗撮されるのは“そんな格好をしている”からか?
見知らぬ人間から品定めされるのは“いつも笑顔を振りまいている”からか?
“君のことを思っている”と涙する夫は、妻が家事や子育てに忙殺されているのを眺めて何を思った?

現実同様、映画のラストでは何も解決していない。彼女たちが場所を変え、作り、維持しなければ人生を取り戻せない。

男のために設計された社会で「男も辛いよ」「息苦しい世の中だな」と呑気にほざけるその時点で、見えてる世界が違いすぎる。
(レディースデイはあるけどメンズデイはないじゃないか!とか言うやつ頭沸いてんのか)


映画としての出来不出来を評価できるほど今冷静ではないのでスコアはつけないでおく。
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