夜

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコの夜のレビュー・感想・評価

3.0
サンフランシスコといえばシリコンバレーに代表されるような大都市をまずはじめに想像するが、片や少し外れにゆくと路上生活者やドラッグ、売春等が蔓延する犯罪率の高い地域とも地続きだ。地域の再開発により今まで住んでいた黒人たちは追い出され、白人と黒人はきっちりと見えない壁で住み分けられており、お互いがお互いを嫌悪しながらボーダーを守って暮らしている。正直この映画を観るまでサンフランシスコにこんなイメージはまるで持っていなかった。

大仰な防護服を着た白人が何か(恐らくは放射性物質?)の除去作業をしており、Tシャツを着た無防備な黒人少女がその横を駆け抜ける冒頭のシーンから始まる。
プランBだし主題自体はとても良いと思うんだけど、やっぱり強行突破で行動しようとする主人公はどうしても幼く見えたし共感できない。白人の作った世界のルールなので、はじめから不条理の中なのは重々承知なんだけど、それでもある程度の正しさを求めてしまうのは私が暢気な日本人だからなのかなぁ。
主人公が小さい小さいベランダでタバコをふかすシーンが好き。親友のような兄弟のような恋人のような二人の関係、ラストはちょっと切ない。
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