TAK44マグナム

処刑人のTAK44マグナムのネタバレレビュー・内容・結末

処刑人(1999年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

ロシアンマフィアを血祭りにあげたマクナマス兄弟は、神の啓示をうけ、悪党を成敗する処刑人として行動開始。 
友人のイタリアンマフィアの使いパシリのロッカも仲間に入り、順調に悪党退治を続けるが、マフィアのボスが放った狂犬のような殺し屋が襲いかかってくる。 


家族を殺され云々~といった暗い部分をとっぱらったパニッシャーみたいな映画。 
荒唐無稽なストーリーを、人をくったジョークで彩っている感じ。 
格好は良いが、プロの殺し屋ではないために、どこかドタバタした処刑場面も笑えるし、主役二人を完全に陵駕する存在感のウィレム・デフォーの超怪演ぶりも最高。 

デフォー演じるFBI捜査官は、頭はキレるが、エキセントリックな同性愛者という設定。処刑人たちよりも完全に目立つし、出番もかなり多い。だから、ほとんど主役に見えてしまう(笑) 
内心は真面目に世の腐敗を嘆いているので、最終的には兄弟の行為を肯定してしまう。この展開には正直驚いた。 
まったく先が読めない映画で、独特の演出もあいまって、つかみどころの無い、フワフワとした新感覚(といっても10年以上前の映画だけど)のヴァイオレンス(コメディ)ムーヴィーとなっています。 
なんといっても、敵だった殺し屋も実は敬虔なクリスチャンで・・・っていう展開には呆然、脱帽するしかないって感じ。 

出てくるキャラクターたちがキチガイばかりで、神の啓示を受けてヒーローになる展開は、この間観た「スーパー!」とまったく同じなんだけど、あちらがブサイクオジさんが主役、こちらはイケメン兄弟となるとそれだけであまりキチガイには見れないのは、それはそれで問題だなと思いマス。 



全体的な印象としては、シリアスよりもコメディのほうが比重が高いと思われ、アクション映画として期待すると肩透かしにあうかも。 
まあ、といっても、劇中のキャラクターたちはあくまで真面目にやっているんだけど笑える結果にしかならない・・・というわけで真の意味でのコメディ映画ってわけでは全然ない。 
むしろ、テーブル叩いたら銃が暴発して飼い猫が爆発して死亡、という笑うに笑えないシーンもあったりして、苦笑いするしかない。 

銃をバカスカとブッ放しす映画でも観てスカっとしよう!と思っているなら、あまりオススメできない。 
しかし、一風変わった映画を観てみたい時には、ちょうどマッチするんじゃないでしょうかね。 
長くなりがちな会話シーン等を色々と端折ったりしててテンポが良いし、かまえて観ないといけないようなヘヴィさが無くて気軽に観られるし。