初回)ギミックやルールが難解なうえ、画面上で起こっている出来事があまりに未体験な概念のため、圧倒されたのか、煙に巻かれたのか、なんとも判断しがたい、いやそれでも確実にとんでもないものを見た気がする1回目。
あいつがもしかしてあいつ！？という後引くラストもいいけど、それでもちょっとおざなりすぎない？というなんとも形容しがたい。しかし、劇場をでたあと「赤」と「青」がこんなにも街に溢れているのか、頭が完全にテネットに持ってかれている時点で、ノーランの勝ちなのかも。
2回目)初回よりかは落ち着けて観れて、「ここは予習したところ！」と進研ゼミの漫画のような気分で観ていると、どうしても挟撃作戦の大スペクタクルなくせに猪口才な設定のせいで置いてけぼりになる。それでも作中で語られているとおり「考えるな、感じろ」精神で心を穏やかにさせる2回目。
偶然か必然かの物語として語るのならば、紛れもなく必然の物語だと思う。たとえ既定路線であったとしても、未来とは確定し得ない先の時間のことであり、そこへ進むことこそが未来を確定していく過程になる。これからを知る男と全てを見てきた男の切ない友情に胸が熱くなるのだ。
