つちのこ

TENET テネットのつちのこのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

それなりに解説を呼んだり要所を再度観たりしたけど、多分私はこの映画を 30% しか理解していないだろうと思う。
それでも 4.2 付けてしまうのは、「構想だけで終らせずに映像化が非常に困難そうなものを撮りきってしまう」 ノーランがやはり凄いと思うから。

『インターステラー』のときは、いい映画だけどあまり好きじゃないなぁと思った。登場人物に魅力を感じなくて。ちょっと 「え、ここどうなってんの?」 みたいなお茶を濁す設定も多かった気がするし。
でも 「撮りきってしまうの凄すぎ!」 と思った。

そして今回、更に上を行くものを撮りきったなぁという感想。
『インセプション』や上記の『インターステラー』よりは、「同じスピードで順行に進む世界と逆行で進む世界の 2 つがある」 という、単純な設定なので分りやすいと思う。

が、分りやすくても 30% しか理解できていないのだ。


以下、大いにネタバレを含むし私はあまり分っていないので、今後の疑問を整理するために記載することにする。



【分っていること】
・未来人である科学者が時間を逆行させる技術と装置 (アルゴリズム) を開発する

・このアルゴリズムは使い方を誤ると人類は滅亡する

・悪用されないように開発した科学者はアルゴリズムを 9 つに分割して過去に隠し、本人は (重圧に耐えかねて?) 自殺

・各アルゴリズムは見つかる確率が低い、核を管理している場所 (?) に保管

・一般的に未来人は環境汚染や地球温暖化などから、住みにくい世界に住んでいる

・こんな世界になってしまったのは、過去の人類 (私たちが今生きている現在の人類) のせいなので、それを止めるために未来人が現代人をアルゴリズムを使って殺そうとする

・これが 「第三次世界大戦」 であり、未来人は隠されたアルゴリズムを見付けたい

・ニールが話す 「祖父殺しのパラドックス」 はこの 「未来人が過去の人類 (未来人にとって祖先でもある) を殺そうとしている」 ということに関与している

・若い頃のセイターは地図に載っていないロシアの町スタルスク 12 で 1 つ目のアルゴリズムを発見する

・ここからセイターは 未来人と契約して (?) 9 つすべてのアルゴリズムを収集することになる (現在ではすでに 8 個収集済み)

・オペラハウスにプルトニウム 241 があり、それが最後のアルゴリズムである

まだまだあるけれどちょっと保留。


【まだ調べる必要があること】
・キャットはなぜセイターを殺した?(人類滅亡云々言っているときに、「勝ち誇った顔が許せなかった」 ってそれだけかよ…… という印象が拭えない。順行の自分とマックスが生きているのを見て? それとも自分が生きているのを知って? 人類は滅亡しないと理解した?)

・ニールは最後に乗り物に乗るように見えるが、本当は乗っていなくて爆心地にひとり向かう?(でないと辻褄が合わない)

・オペラハウスの一件はどこからどこまでが囮? セイターの手下もいたようだけれど、セイターが実際にプルトニウム 241 を手に入れようとしたのは事実?

・CIA のピルは結局死のピルなのか? セイターが持っていたピルは最初の名もなき男から奪ったものか? それとも別ルートから入手したのか?

・終盤のクライマックス、スタルスク 12 の戦闘で主人公とセイターが会話しているとき、「息子 (マックス) は生きられない」 みたいに主人公が言う。セイターは破壊された未来に絶望して現代人を滅亡させることに合意している。でも 「この太陽は息子の頬をあたためる」 的な発言をしていたように思う。息子への愛情は感じるが、結局息子は生きるのか? 死ぬのか? 死ぬのならセイターの中ではどんなシナリオで死ぬのか?

・人類を滅亡させるアルゴリズムを収集し、武器商人として汚いお金 (自分で言ってた) を稼ぎ、妻に残酷なことをし続けても 「俺の最大の罪は息子を設けたことだ」 と言う。息子を設けるだけで罪悪? 息子が何をするというのか? ただの一般人ではないのか? 「ニール = マックス説」 が本当なら、ニールの存在で人類滅亡が阻止されるから、未来人の敵だということか? でもニール = マックスで、マックスが現代人滅亡を阻止すると分っているならサッサと息子を殺すだろうから、関係ないのだろう。ニール = マックス説も、40% くらい 「そうかなぁ……」 と思っているが、どうなんだろう

・キャットは人殺しなのに、罪を償わなくていいのか? マックスにとっては 「父親殺し」 なんだけど……

・プリヤは結局誰の元で動いていたのか? 将来の 「名もなき男」 だとしても、彼の下で働くメリットとは? プリヤは武器商人で、アルゴリズム完成に肯定派のように見えたのだが、それなら 「名もなき男」 からどのように指図され、何の目的で動いていたのかよく分らない。さらに黒幕がいるなら黒幕から 「キャットを殺すな」 と言われれば従ったのではないのだろうか

・主人公は、最初の爆発のシーンで観客を巻き込まないとか 「知りすぎただけではキャットを殺さない」 とか、人道的に見せるようなシーンもあるけれど、プリヤの運転手やプリヤは殺された。そんなに殺されるほどの理由があるような気がしないのだが……
だから主人公が 「キャットに惚れてるから殺さない」 みたいな構図に思えて、また個人的には結構キャットってセイターが言うとおり 「ク○女」 じゃない? って気がしているので、なんか主人公が女性の趣味が悪い & 色恋にかまけて大事なミッションの大事な仲間を巻き込むみたいに見える (クールじゃない) んだけど、合ってる?


とりあえず一旦休憩しよう。



【2023/10/15】ほぼ再鑑賞
冒頭のオペラハウス シーンからまず分らなかったのだけれど、分りやすく整理してくれている人のサイトを読んで下記だと分った (といっても映画の中で説明されているわけではないので公式情報ではないけれど、自分で凄く合点がいったので納得している)。

まず、オペラハウスには 4 チーム存在するそうだ。
1. 本物のテロリスト集団 (普段着に目出し帽みたいな人たち)
2. ウクライナ当局 (SWAT 部隊)
3. セイターの手下 (「アメリカ人を起こせ」 という人たち & 拷問してくる人)
4. CIA 部隊 (主人公 & アルゴリズム (プルトニウム 241) を持っている) スーツの男