福助

TENET テネットの福助のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
2.9
コロナ渦の中、エンターテイメントとIMAXを宝の持ち腐れにさせねえからな!とノーラン袋の緒が切れた!

ありがとうノーラン!ありがとうIMAX!ヴァイオレットエヴァーガーデンもパンフ売りきれるくらい劇場には人がいっぱいだったよ!
テネットのパンフはちゃんと残ってたけど、文字が小さいし多くて買う前に逆行しそうになったよ!
でもね、ノーランさん。正直に言わせてもらうよ。


なんじゃこれ?


ヤバい。多分、この作品を素直にエンターテイメントとして楽しめなかった自分は少数派で思慮の浅い人間なのだと思われても仕方ないと思いますが、感想としては、

「ふーん、そうなんだ。」

今のところ、これが限界でした。

現実世界からの逆行という着眼点は新鮮であり、非常に想像力を掻き立てられるプロットではありましたので期待していたのですが、肝心の要である逆行の危うさやメリット等が不鮮明であったので、イマイチ緊迫感が伝わらなかった私は物理の勉強不足なのでしょうか?

悪役は名優であり名監督のケネスブラナーでしたが、ロシアのマフィア以上の恐ろしさや闇があまり感じられませんでした。ただのドSでしょーもないちっせーDVクソ野郎みたいな。
そもそも世界の破滅を目論むという割にはその理由がめちゃめちゃダサいし、説得力が弱いなあと。

映画自体が面白くないわけじゃないんですよ。それでも「へぇー、なるほどねー、そうかそうか、あ、もしかしてそうなる?あ、そうだよね、やっぱりね。」
くらいの感想なのですが、期待値が高すぎたのかもしれません。もしくは、
「ぼくがかんがえたさいきょうのノーランさくひん」
から飛び越えてしまっていたのかも。
ダンケルクほどIMAXで観なきゃあかん!という迫力も感じられず、ダークナイトほどの人物の内面を露にする描写は影を潜めていたような気もします。

主演のジョンデヴィッドワシントンからはブラッククランズマンのKKK絶対許さないマンみたいな確固たる意思よりは、全編通してどこか迷いがあるような(ストーリー的に当たり前か)主人公だったので思いっきりの感情移入がしづらかったのです。

でも、もう一回観てみたいとも思うのですよ。パンフや映画秘宝読んでから腰を据えて観てみたいともちょっと思えました。

評価が変わるような気はしないけど。

ただ、この映画のおかげで、「ダークナイトの良さを飲み会で語る男は公害」がアップデートされて、「テネットの逆行とノーランの美学を語る男は首吊り」みたいになるのかなあと思うとウフフアハハってなりませんか?

テネット楽しんだ方々本当に申し訳ない!でも、これが今の感想なんだよ!
福助

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