母の想いを汲みつつも子としての都合が揺らぐ程の辛い思いしてきたんやろね。家族と距離置き俯瞰して何とか自分を保ってた雄二にとって15年ぶりの再会は怒りや煩わしさ、更に自責の感情ない交ぜながら愛に苦しむ。よそよそしさとやっぱ母ちゃんだ！の狭間で衝突する抗えない血縁の悲哀が痛くも温かい良い映画でした。
生半可な衝突ではないし、まるで向いてる方向も異なる兄妹なのに三様に母との距離を窺い踠きながらも家族であろうとする。屈折の隙間で交わされる表情や言葉の遣り取りに見えない糸の繋がりを感じ母と子、兄と妹と他人が侵す事の出来ない縁を見る。この照れ臭さや不器用を経て通じ合う姿が愛おしい。
田中裕子の業を背負い今を噛み締める表情、変則的なのに特別と感じさせない母親像はこの物語にあってもスッと沁みる。素晴らしい！
あと松岡茉優の譲れないものには真っ向から、守りたいものには繊細にという逆境経て明確に見据えてる感じ、この園子役には圧倒されたし家族の支柱であり指針。凄いよ。
脇で人生に惑う筒井真理子wこれだけで1本映画が撮れそうな〝よこがお〟を思い起こさせるドラマ性、まあ本筋に上手く作用してるかと言えば微妙やけど更に佐々木蔵之介と言いサラリと描くにも濃過ぎる生き様は勿体ないかな〜下手したらメインと同等の屈折ありそうで目が散ったw
要するに脇も皆生きてる！
