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デッド・ドント・ダイのShinMakitaのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
2.1

ある日、田舎町センターヴィルで鶏・犬・猫・牛など動物たちが姿を消し、夜なのに陽が落ちないなどの異常現象が発生する。パトロールに出る警官ロニーは澄ました顔で「まずい結末になる」と何度も口にするが、相棒の署長クリフは何が起きているのかよくわからない。翌朝、ダイナーで2人の店員が腹を食い破られ死んでいるのが見つかった。駆けつけたクリフも目撃者たちも野生動物の仕業かと疑うが、なぜか犯人がコーヒーを飲んだ形跡もあり、ロニーは「もしかすると、犯人はゾンビかもしれません」と助言するのだった。
実際、地球の自転軸がズレたせいで世界各地でゾンビが大量発生していた。クリフとロニーはゾンビ対策としてホームセンターで工具を買いだめし、街に出現した死人の群れに立ち向かっていくのだが…


「デッド・ドント・ダイ」。全国公開前に日比谷で先行上映中のため、本日参戦。ちなみに全国公開は延期だそうです。残念ですね。


以下、まずいネタバレになる


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ゾンビ映画の新たな可能性を見出せました。「非ゾンビ系監督(ゾンビ映画なんか撮らないだろうと思われる監督)の作家性が溢れたゾンビ映画」という新ジャンルだと思うんですね。もちろん、ダニー・ボイルの「28日後」という先例はありますが、ジャームッシュとゾンビという組み合わせはかなり意表を突きますよね。さらにちゃんと彼らしいユルイ空気で全編通しているのが嬉しいところ。今後例えば、是枝監督がゾンビ映画を撮ったりしたら、この新ジャンルも広がることでしょうなぁ。

しかし残念なのは、自分のセンスだけではゾンビ映画好きに受け入れてもらえないと思ったのか、余計な要素をぶち込んでいる点。映画オタク・ボビーのウンチクやパロディ、アダム・ドライバーのスターウォーズいじり、さらにはドライバーとマーレイのメタ演出ギャグなど、確かに楽しいんだけどジャームッシュ映画としてはどうなんだろう?不要な気がするの、俺だけでしょうか。葬儀屋ゼルダさんの、あの大ネタだけで十分シュールな笑いが取れると思うんだけどなぁ。

とりあえずゾンビにうるさい向きも一応満足させてくれるビジュアルとクオリティはある一本。オススメです。
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