シガーandシュガー

ひと夏の体験のシガーandシュガーのレビュー・感想・評価

ひと夏の体験(2018年製作の映画)
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三人の少女らの、夏の旅行。SNSが身近すぎて、なんでもかんでもネットにアップ。あげて良いものと悪いものの区別がつけられず、あげくとんでもない事態を引き起こす。
そのとんでもない目にあった子が強すぎるけど、まあもともと芯がしっかりしてる設定ぽいし、短絡的に興奮させて悲劇で終わらないのは良かった。
三人のこれからはどうなるのか描かれないけど、少し大人として友情が続きそうでもあるし、このまま途切れそうでもある。途切れるかな。エンディングのブルーと静かな音がいい。

個人的には、少女というごく短い時期を切り取るのにそんなにドラマチックさは要らなくて、ただその生態を見つめるだけで構わないと思っている。いずれ女にならなくてはいけない心の成長が、女の子たちひとりひとり違っていて、とてもドラマチックだから。この映画はSNSを絡めて今の空気を取り込んでいるけどそこにあまりテーマはなくて、たんに少女たちが「子供であること」をやめざるを得なくなる瞬間を描いてるだけなんだと思うし、そのほうが好み。

その昔、椎名桜子の「家族輪舞曲」もかなり不評だったけど私は上記の理由ですごく好きだった。この作品も同じ。数年後にきっと思い出すし、また観たいと思う気がする。