北斗星

パラサイト 半地下の家族の北斗星のネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


こういった詐欺をしていく映画って、初めは観てる方も鼻唄を歌ってるような気分になって高揚感があるんだけど、必ず後半から物語が破綻に向かいますよね?
この作品もしかり。

家族全員が詐欺に手を染めていく過程は娯楽として楽しめるけど、元家政婦が嵐の夜に訪ねてきたのをキッカケにその様相は崩れはじめる。
でもあの元家政婦登場はもうホラーですよね。大雨の中のあの顔、まるで『シャイニング』みたい。

現家政婦に成り済ましたお母さんは半地下に住んでたときと見違えた。ボサボサの頭を品良くショートにして、制服を着ると、こざっぱりしたお洒落なマダムみたいに見える。

人間は良くも悪くも見た目や服装では判断出来ないものですね。
ただ、その人の本当の姿(暮らし)の【におい】までは誤魔化せなかった。それがラストの悲劇を生むわけだけど。

しかし半地下よりもっと下層の地下で長年暮らしてる男がいるとは!

そして、韓国は未だに根強い学歴社会があると見聞きするが本当の本当に、警備員の募集1人に大卒500人も殺到するの??

最初いくら職がないと言っても、この家族はただ働きたくないだけなのでは?若い兄妹だけでも就職先はないのかな?と思ってたけど、本当にピザ屋の内職とかしかないの??

しかし、家族で他人のセックスしてるとこをテーブルの下で聞きたくなくとも聞いてしまうとは。まあ、斜めから夫婦を見てるような間抜けなシーンでした。

ラストはあの大金持ちの娘と半地下の息子が結婚したのかと思ったけど、そんな訳はないですよね。彼の願望でしたね。

それにしても、豪雨の被害で半地下の家が濁流に飲まれそうになってるのに、妹はトイレに黒いどぶが逆噴射してても平気でその上に座ってスマホ見たり。

避難場所の体育館にまでセレブ妻から電話でホームパーティー開くから是非来てね~とかあまりに能天気過ぎて、この状況下、天国と地獄みたいなシーンだった。
下層と金持ちの違いを象徴するかのよう。この作品のテーマのようでした。

韓国映画はドラマと映画は違いすぎますね。映画は日本人では撮らないような残酷なテーマやラストが多い。どぎつさはハンパない。

ソン・ガンホはよく出てくるね。しかもまだ若い。50代なんですね。

アカデミー賞撮るってことは、今や下層や最下層って世界的な問題なんでしょう。
でもアジアで初だから、日本作品も頑張って欲しい!
北斗星

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