その身に強く染みついた生き様や運命という烙印は、容易く消し去ることはできない…。
執拗なほど随所に散りばめられた格差へのメタファーとシンボル。同じ人間でありながら、決して越えられない一線があるという現実を突きつけられる。
そもそも刺さらないと分かって観たので感銘を受けることもなく、かと言ってつまらなかったわけでもない。
経済格差という面では日本とさほど変わらないはずだけど、韓国の分かりやすい環境差がここまで明確なコントラストを生み出しているのかもしれない…。
僕がポン・ジュノ監督の作品から感じるのは直感的な芸術性ではなく、丁寧に計算され組み立てられた物語性。それぞれのシーンや出来事にインパクトはあるものの、作品の中で持つ意味以上に胸を打つことはなかった。
“同じ穴のムジナ”という言葉が頭の中でループしていた。