窓から見える景色。
半地下の窓からは劣悪な現実が、豪邸の窓からは隔離された安穏が広がっている。
普段ネットで豪邸の写真とか間取りとかを眺めては「あーこういうとこ住んでみたいなー」と漠然と憧れている様な、ほぼキム一家の住人である自分としては、そもそも見ている「世界」が違うという認識を所与のものとして、それを映像ではっきりと見せられるとういうのが分かっていても結構きつい。
臭いの様に"こびりつく"階層意識。
何をやっても「計画通りにいかない」のは
能力や努力が足りないせい、だけでは無い、のかも。
監督も述べている様に、今作のディテールは韓国で暮らす人にしかわからない様なニュアンスを帯びているという事なので、韓国の人のレビュー読めたら良かったなぁ。(韓国語の勉強をしよう!とならないのが怠け者根性の表れ)
ラストの余韻は観る人によって本当に様々だと思うが、鑑賞後一日経って個人的に感じるのは、やっぱり「絶望」だ。明日には「希望」に変わってるといいな。
気候危機に関しては(半地下なのも含めて)モロに「天気の子」と重なる場面もあってゾッとしたりもした。
しかし「アス」といい「ジョーカー」といい「家族を想うとき」といい、「家族&経済格差ヤバい系」映画がこうも世界中で作られてると思うとどうにも元気がなくなる。またそれぞれがメチャクチャ映画として面白いというのも…。
この内容をこんなにも面白く撮れる事も怖いし、それをこんなにも面白がれる事も怖い。怖いよこの映画!もう!