Fumi

パラサイト 半地下の家族のFumiのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

わたしのなかではこれまで鑑賞した韓国映画の中では史上最高作。オールドボーイも超えた。
もう何ヶ月も封切りを待って期待膨らませてたけど、その期待を上回る脚本、演出、ソンガンホだけでなく、韓国ドラマでおなじみの面々による俳優陣の演技、どれをとっても素晴らしかった。

貧しいキム一家や元家政婦夫婦の生活の苦労さに比して、裕福なパク一家の優雅さがなんだかひとつの絵というか、天国と地獄を描いた宗教画みたいで。そしてひとりまたひとりと、パク家に寄生していくのは、なんだか蜘蛛の糸のようで。芸術的ですらある映画。
地下世界で醜くマウンティングする、キム一家と元家政婦夫婦だけど、パラサイトすることで、少し余裕が出てくると半地下家族にも他人を思いやる発言が出てくるのね。他人に対する優しさと、自分に余裕があるかは比例することがわかるシーンだったなぁ。

そしてもうひとつ、ポイントなのは、やっぱり「臭い」。
いつも無臭で生活している人たちだけが、敏感に感じてしまうにおい。一方で地下にいる自分ではわからないにおい。見かけやモノだけじゃなく、五感からすでに断絶されいる2つの家族。最後のクライマックスの引き金もやっぱ臭いだった。

展開や、セリフ、回収、どれも納得感があり、よく練られてる。キャンプに行ったはずのパク一家が雨で帰宅することになってしまうシーンなどは、エンタメ性もある。
カンヌ、GG賞も獲って、アカデミー賞もまぁ、間違いないだろうなぁ。
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