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パラサイト 半地下の家族のフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
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この映画を観て、あえて描かないのに、隠しきれず露呈する格差社会のしくみとか可笑しさ。
ラスト、クライマックスのシーン
何を言われたわけじゃなし、パク社長の臭いへのあの反応で、貧乏父さんの中で何かがぷちんと切れた。
あの瞬間の虚しさとか情けない気持ち格差社会の下層で生きる者達のあの気持ちわかっちゃって私まで虚しくなったな。
貧乏息子が二階から庭を眺めて、「自分はここの場所に相応しいかな?」って自問のように呟いた時私の心は泣いていた。
装いだけでは絶対的に埋まらない?変わらない自分の精神は一生この場所に相応しくなれないなと分かっている。
それでも自然体でこの場に馴染んでいる貴族たちのようになりたいと願ってしまう自分。絶対に無理なのにね。


私は以前Twitterとインスタでエルメスさんという美容アカウントをフォローしていた。
(エルメス好きな父親に買い与えられたエルメスずくしの彼女を友人らがエルメスと呼んでいたことが由来らしい。)

その彼女がインスタグラムのフォロワーからの人生相談で
「いつもお金がなくて大変です。」という相談に「お金は道具です。お金がハサミだとしとらハサミをどう使って切るかが問題でハサミは沢山要らないですよね?要は道具をどう使うかが大事」というようなことを言っていて、この人はお金が無いということを体験したことがない人だ。と改めて分かった。
貧困を体験してないからこんなことサラッと言えちゃうんだろうなあって思った。
本当の貧困ってね、そのハサミすらないんだよ。って伝えたくなったけど永遠にわかるはずがないと思った。

この映画みたらずっと心にこびりついていた金持ちの何気ないアドバイスを思い出された。

本当のラストシーン。
いつまでもしがみついていたい。
私だって大人になったらお金持ちになっていると当たり前に思っていたけど全然そんなことない。それでも今でも諦めてない。
沢山お金稼ぎたい。
そして、私もあの庭で光を浴びて待っていたい。
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