トマ姫

新卒ポモドーロのトマ姫のネタバレレビュー・内容・結末

新卒ポモドーロ(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

おもしろそうだなーと思ってたけど、想像以上にめっっっちゃおもしろかった!!2020年、3本目の星5。今年19本観た中でこれが一番好き!

この映画館安く観れる回少ないし、遠いわバスの本数少ないわ、その上上映期間がたったの2週間で、さらに今週はライブも舞台もあって超多忙。ハードル高すぎたけど観に来て本当に良かった!

人事で新卒採用を担当してた同期の話がおもしろくてねぇ。派遣会社でアルバイトの面接しまくってた友達の話もおもしろかった。採用側の話っておもしろいんだよー。それがこの映画に惹かれた理由。

レビューというよりまるでレポートww ドン引きするレベルで大作になってしまった。前半がレビュー、後半は就活と仕事について。ホント長いので無理しないでm(_ _)m

では、まずはレビューから。

脚本がとにかくいい!1時間観ても話が見えなかったりストーリーが動かなかったりっていう映画もある中で、これはいきなり起承転結の「起」から始まる。簡潔明瞭。テンポの良さを予感させたが、その期待は間違いじゃなかった。

働く側の気持ちもわかるし、新卒側の気持ちもわかる。社長、大野いと、学生達。いろんな立場の人間に感情移入して何度も泣きそうになった。泣いた。とくに結末は大号泣。この映画でこんなに泣く人いないかもしれんw ラストを振り返るだけで思い出し泣きしそうになる。大野いと、新入社員、両者を想うと目頭が熱くなって。。

大野いとちゃんの仕事っぷりが一番の見所。とても魅力的で、「あぁ、仕事するって、仕事を作るってこういうことだよなぁ」と刺激された。あの姿観てたら「仕事頑張ろう」って触発されると思う。サラリーマンは特に。社長と共に仕事ができて、会社全体を見渡せる。そんな職場環境も素敵だった。

我が家は転勤族で、私自身は仕事を選べる立場にない。看護師みたいにどこ行っても通用する絶対的な資格を持ってるわけじゃないから、働けるのは転勤族でも採用してもらえる飲食店とか小売業くらい。大野いとちゃんみたいに自分で切り拓いてくやりがいある仕事がちょっぴり羨ましかった。

今の新卒採用について知れるのも楽しい。数年前に大学生と働いていた時、Webで受けるテストの話を聞いて衝撃だったのを覚えている。「それって不正しようと思えばいくらでもできない?」「妹に手伝ってもらいましたw」な〜んて会話をしておばちゃんたまげたっけ。映画の中にはマッチングイベントも登場して、「今はそんなのがあるのね〜」と感心しきり。うちらの時のように合説→企業説明会→履歴書&エントリーシート→一次→二次っていうワンパターンじゃないみたい。選択肢多くて選ぶ方も大変だぁ。

恋愛要素を入れようと思えば年下の男のコや社長といくらでも恋愛させられたと思うの。私、ラブストーリー大好きだからそういう安易な展開も大いに歓迎。けど、この作品はそれをしなかった。新卒採用のみに特化しているから無駄がない。余計なものは一切排除して必要なことだけを魅せてくれた。

新入社員と仕事してる社会人。絶賛就活中の就活生や、来年再来年に控えてる学生。もっと若い世代。そんな子供達を見守る親御さん。就活未経験の自営業者やフリーター。どんな人でも楽しめる作品だと思う。全ての人に観てほしい!

レビューは以上。

ここからは個人的な就職の話。無駄に長いから無理して読まないで〜💦

自分の就活がどんなだったか思い返すと、「今日はどんな人に出会えるだろう」とワクワクしながら面接に臨むキモい学生だったww

そんな新鮮で楽しい日々はわりとすぐに飽きて。飽きたタイミングで第一志望の会社から採用通知が届いて就活は終わった。就職氷河期だったが、3ヶ月で3社から内定をいただけたのはあのキモさのおかげなんだろう。

やりたい仕事を全うできればベストだけど、私はそれが叶わなかった。人手不足で朝6時から17時間勤務。残業代は出ない。連日3時間睡眠で、休みの日はニンニク注射を打って体の痛みを紛らわせた。

やりたい仕事とできる仕事は必ずしもイコールじゃない。自分の体力や得手不得手を把握して、その範囲でやれる仕事を探すことも大切。世の中にはもっとたくさんの仕事がある。そう知ったのは会社を辞めてからだった。

2年後、結婚して転勤族の妻になる。

転勤すると私の職歴は増える。条件さえ合えば何でもやるから職種も様々。その度に「苦手だ」と自覚することが一つまた一つと積み重なって、求人を見てもやりたくない仕事やできない仕事が大半を占めるようになった。

就活の頃とは仕事の選び方が随分と変わってしまったなぁ。だって消去法だもん。180度違う。

接客が好きなことだけは一貫していたけど、それすらも前職を経験して揺らいだ。お客様とも取引先とも話さない完全裏方の仕事は初めてだったけれど、「しゃべらない仕事はこんなにも楽なのか」と衝撃を受けた。「話す」という行為がいかに体力を奪うか。

今はお客様と少しだけ接点はあるが、ほとんどしゃべらず黙々と作業するだけ。接客みたいにキツくないから退勤後にボクシングジムで3時間ハードに動けるし、その後映画のレイトショーにだって行ける。この生活が自分には一番合ってる。

大好きだった接客業に戻れるかはもはやわからない。3時間くらいだったらなんとかなるかなぁ。転勤の度に職を探すのはとても大変だけど、飽きっぽい私には刺激になってちょうどいいのかもしれない。

次の転勤先でも条件に合う仕事が見つかればいいなぁ。
トマ姫

トマ姫