らんらん

風の電話のらんらんのレビュー・感想・評価

風の電話(2020年製作の映画)
3.5
女の子が旅をするお話、切ない系
主演、モトーラ世理奈
助演、西島秀俊、三浦友和、西田敏行ら

【内容】
主人公のハル(モトーラ世理奈)は震災孤児で広島(呉)で叔母さんと二人暮らし
9歳の頃に津波で家族(両親と弟)が流され未だ見つかっていない

心に傷を抱えるハルは頼りにしていた叔母さんが倒れてしまったことで衝動的に旅を始める、ヒッチハイクをしながら目指すのは故郷岩手県大槌町

その旅で出会った人たちとの交流、そして主人公ハルが心を整理して前に進むための物語

【感想】
タイトルになっていて劇中(最後の方)にも出てくる「風の電話」は実際に岩手県の大槌町に存在するものらしい、それをモチーフにしたストーリーって感じ

大事なものが突然なくなってしまった喪失感、落ち込んだりいろいろあるけど、でも生きていかなきゃいけない、生きてるから思い出せる、生きてなきゃ思い出す人もいなくなっちゃう、みたいな切ないお話です

こないだ他の映画で見て気になったモトーラ世理奈目的で見てみた
なかなか難しい役だったと思う
制服姿の女子高生、かなり無口で暗い感じ、いかにも家出風で訳ありな感じ
でも普通の子、自暴自棄にグレてるわけでもなく、結果的には色んな人達に助けられてるけど他力本願なわけでもなく、勇気を出して自分の力で旅しようとする強い子
助けてあげたくなる、がんばったねって褒めてあげたくなる、そんな子を好演していた

そしてベテラン俳優陣が脇を固めて物語に厚みを出しているところなんかも良かった
三浦友和、山本未来、西島秀俊、西田敏行みんな印象に残る

この映画で考えたのは
自分だったらあの子をどう助けてやれる?ってこと
山本未来のツレの男の人みたいな対応になっちゃうと思う
余計なお世話かもしれないし、面倒ごとに巻き込まれるかもしれないし、何がその子のためになるの?とか考えたりするし
助けてあげたいけどなかなか難しいんだよね、見てる分には事情もわかってるから可哀想、助けてあげてよって思うけど現実はなかなかね
その点劇中で出会う人の助け方、接し方がなかなか素敵だったなー
困ってる人をさりげなくでも助けてあげられる人になりたいとか考えちゃった映画です
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