前作「新感染ファイナルエクスプレス」はワンシチュエーションスリラーxゾンビ物であり、父が父になる成長物語でとんでもない大傑作でした。
韓国映画のレベルの高さを突きつけた一作です。
今作は4年の月日が流れ廃墟と化したゾンビウイルスの爆心地朝鮮半島から逃れた元軍人のジョンソクは半島出身ということで差別を受けゾンビ同然の生活を送っていた。
そこに朝鮮半島に眠る大金を持ち帰り仲間と山分けするために地獄のゾンビの巣窟と化した半島へと戻って行く。
前作と世界観が共通しているだけで全く関係ありません。ジャンルとアクションの見せ方も違います。
みんな同じことと指摘していますが、ゾンビxマッドマックスです。
半島でゾンビ達とサバイバル生活をしている狂信的な軍事組織は言うなればイモータンジョーのウォーボーイズ。
またその中で生きる家族の物語もサブストーリーとしてジョンスクのメインストーリーと並行して行きます。
正直ストーリーの魅力や人間ドラマは前作の方が良くできています。
日常が崩れ去って行く中で奮闘する人達の群像劇と極限状況だから浮かび上がる人物像と成長が本当によく出来ていました。
同じ内容をなぞることはせずアクションに全振りしています。
前作をなぞってもスターウォーズEP7~9になってしまいますから英断だと思います。
新幹線という限定された空間から広いフィールドになったことで出来るアクションも増えたことで前作との差別化を図っています。
カーアクションによるゾンビボウリングの爽快感やダイナミックな大軍描写が景気が良くていい。ハリウッドの大作映画が延期になっている今久しぶりに観ていて楽しいアクション映画に感謝します。
「今いる世界も悪くなかったです。」
COVID-19のパンデミックの現状にも重なる台詞に監督の優しさを感じた。
こんな世の中だけど生きて行く価値は自分達で見つけ出せる。
