えむ

罪の声のえむのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.9
モデルになったあの事件は私も印象に残ってるけど、フィクションにするのにその事件の資料も「キツネ目の男」という呼称も、実際の資料をそのまま使ってるので、なんとも不思議な気持ちになる。

142分あるけれど、ストーリーは面白く、だれることなく長さを感じないで最後まで楽しめます。

昔も今も、社会に声を届けて革命を起こしたい、そういう人はいるでしょう。
ていうか、今もこういう正義をかざす人々や隠れた被害者が出てきてもおかしくないのが恐ろしい。

でも個人の思う正義で、他人を勝手に犯罪や勝手な妄想に巻き込んだらダメよね。
それは、もはや革命ではなく、テロでしかないし、自己満足。

マスコミさんもこんな人達を出さないで済むように頑張ってくださいよ…ゴシップ追っかけて、いかにセンセーショナルにするのかに夢中になってないでさ…


個人的には全体のトーンは比較的淡々としているのが良かった。
特に星野源を据えたことで、変な押し出しの強さを感じずにストーリーにぐっと入り込めたし、この手の社会派作品は、圧が強くなりすぎると妙な演劇感が強まりすぎて、疲れることもあるから。

(もちろんそれでも面白い作品はてくさんありますが、万人が気楽には観られないし、内容が面白いなら尚更それは勿体ない)
えむ

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