えむ

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のえむのレビュー・感想・評価

4.0
フレンチオシャレなアート雑誌風小品集。…とでも言うべきかしら。

フランスのアートや政治に関するコラムなどを集めたカルチャー誌の記事を、まんま映像化して動かしました、という設定の『読む』映画です。
わっかりにくいけど、結果この作品、私は大好きでした!!

(記事を書いているライターさん達はアメリカ人とかだったりもするけど)淡々とコラム(ストーリー)を映像にしてるように見えるんだけど、そこはフレンチカルチャーらしく、ちょっと映像にひねりがあったり、雰囲気があったりして、ひとつひとつがオシャレなんですよ。

出演陣も見た事のあるあの人この人と豪華です。

街角の風景あり、学生運動あり、アートあり、グルメあり、普通に雑誌のページをめくるように受け身で観てれば良いんですが、うーんうーん、このどこかファンタジックなような、おもちゃっぽさのような不思議な感じはなんと言ったら良いのかしら…何かに似てるんだよなあ…とずっと思ってて…

途中で、そうか、と思ったのがこれ。

BGMのフランスっぽさも含め、少し昔の石畳の街角で、ギコギコと手押しオルゴールとか鳴らしながら、マリオネット劇をやってる、その背景も時々ガシャンガシャン紙芝居のごとく手動で変えてる、あの匂いがする。

話は淡々と紡がれるけど、スムーズにスルッと流れていく感じではなく、所々でちょっとカタカタと切り替わってく感じ。

そうか、これが『ページをめくる』感覚に通じるんだな、そう創ってるのか!

…と今書いてて思いついた 笑

何せ中身は『雑誌』ですから、記事(ストーリー)についてあーだこーだ言うのも野暮というものです。

是非その目でページを捲ってみて下さい。
えむ

えむ