千年女優

見えない目撃者の千年女優のレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.5
自身が起こした交通事故で弟を亡くし、その際自らも失明を負ってしまった元警官の浜中なつめ。自暴自棄の中で遭遇した自動車事故で車内から助けを求める声を聞くも警察が取り合わないために使命感に駆られた彼女が、もう一人の目撃者である国崎春馬と共に女子高生連続猟奇殺人へ繋がる事件の真相を追う様を描いたサスペンス映画です。

韓国で大ヒットしたサスペンスで中国でもリメイクされた『ブラインド』を森淳一監督が吉岡里穂と高杉真宙の主演で日本版として映画化した作品で、序盤から中盤までは事件の犯人を追うサスペンス、犯人発覚後はサイコキラーの犯人と対峙するスリラーと表情を変えながら推進力を演出して、難しい盲目を演じる吉岡の熱演を盛り立てます。

粒さに見ればツッコミ所は多いお話で強引な展開と感じる箇所もありますが、そうした物語上の欠点を補うための説得力作りを制作陣と演者が一丸となって実施していることが感じられます。盲目を活かした『暗くなるまで待って』を思わせる盲目キャラの逆襲劇にも緊張感があって、ノンストップスリラーの謳い文句は伊達じゃない一作です。
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