jonajona

ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男のjonajonaのレビュー・感想・評価

3.6
いやおもろいんかいっ!!!

完全にバカコメディかと思ったのに…まじめなドラマなのでビックフット出てきた時に頭の中バグりそうになった。
ヒトラー…殺った!
ビックフット…殺ったっ!んなにこれ

馬鹿げたタイトルながら予想外なことに演出力も高く一見の価値があるシーンがある。もうその時点で笑えるので大したものである。ずるい。
タイトルロゴの出方もお洒落で…演出力高くて無駄なシーンが少ない。ヒトラー暗殺までのシーンの緊迫感は凄かった。冒頭で直前まで見せて後で肝の部分をつなぐのは興味の持続にはいいね
それにしてもほんとなんか無理くり全然違う映画くっつけた感が露骨で笑う。

ひげそりでこんな不気味でスリリングに魅せるのは見たことなかった。首掻っ切られるかもしれない刃物を他人に任せるってよく考えたら恐ろしいことよな。礼儀正しいけど占いとか謎の事を延々喋ってる奴に髭剃られたくない!笑
ヘハヘハ言うとるゴールデンレトリバーがかわいい。車の後部座席から手を乗せて顔を乗り出すんたまらんかった。
ビックフットは正直超小振でガッカリしたけど、未知の超やばい病原菌を振り撒く激ヤバ生物っていう設定は面白かった。

この主人公は、若い頃の回想とか見てると大胆不敵にあんな大業を成し遂げておいて、結構人見知りでなんなら手が震えたり焦ったりする。彼はスパイや暗殺者という仕事で『演じる』ことで救われてた部分があるんじゃないかと勝手に想像してた。
自分を出すんじゃなくて何かをトレースすることで曝け出さずに済むから。
老人まで続く隠遁生活もそういう意味では彼にとって自己を保つ演じる行為を続ける口実になってるような感もある。後悔と不満だらけなのはそうなんだろうが。しらんけど。

上質なドラマ風なのであえて文句をつけるなら、ビックフットが彼にとってどんな存在だったのかイマイチ深掘りされないので殺した時に泣いてるのよく分かんなかった。あとビックフットとの戦闘がカメラガチャってたのとコメディじゃなかったのが残念かな。こんなバカらしい事をしながらなぜかビックフットが出る馬鹿げたリアリティをパンデミックものの演出で押し切ろうとしてるのは巧いけど正面切って馬鹿に振り切って欲しかったのが本音。

奥さんラブだったのは素敵だったね。
ほんとなんなんこの映画…笑

【今日の名言】

ー人生はカウントダウンだ
鏡の中の時計こそ、正確だ。

(ヒトラー暗殺の話をした後で、コーヒーの蒸気が湧く音が響く)
ーさて、そろそろ帰ってくれないか
役に立てない。もう遅いし、
見たい番組がある。
ー…コーヒーは?
ー満腹だろう?

ーわたしは歩き続ける
次に会ったらこう言うの
『立ち止まって
靴紐を結んでいたのね』って。
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