イバ

幼い依頼人のイバのネタバレレビュー・内容・結末

幼い依頼人(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

あらすじを読んだ時は、主人公と子供の交流2割・法廷ドラマ8割ぐらいかな、と思っていましたが、その内容は全く逆の割合でした。


以下ネタバレ。
主演のジョンヨプは虐待の可能性がある子供の姉弟を可哀想に思いながらも、キャリア転換のチャンスのために子供たちとできない約束をし、離れていきます。しかし、その後その姉弟の弟が死に、しかもその命を奪ったのは弟を大事にしていた姉という報道を見て衝撃を受けます。子供たちとの交流を通じて姉弟がお互いを思い遣っていたことを知っているからです。
後悔と罪悪感に苛まれたジョンヨプは仕事をやめ、姉ダビンの元に向かいますが、ダビンは口を開かず避けられてしまいます。
実は弟を暴行の上殺したのは姉弟の継母で、命の危険を感じていたダビンは真実を誰にも話すことができなかったのです。
継母が犯人だと察したジョンヨプはなんとかしてダビンを継母から引き離そうと試みます。
ダビンの父親、継母からの妨害を受けながらも、暴行の現行犯として、そして殺人事件の容疑者として2人は逮捕され、ダビンを保護することができました。
2人を起訴するには決定的な証拠とダビンの証言が必要でしたが、ダビンは大人を信じられず、また命を落とすのではないかという恐怖に支配されていました。
ジョンヨプはそれを感じ取り、自分を命を守るため、自分の気持ちのままにいていい、証言する必要はないと伝えます。そして同時に必ず自分達がダビンを守ることを約束します。
ダビンは証言してくれました。
そしてジョンヨプは弟が大事にしていたぬいぐるみから継母が弟を暴行する様子を映した映像を入手し、証拠として提出することが出来ました。
それが決定打となり、ダビンは暴力の世界からやっと解放されたのです。


この作品、主演は大人でしたが主人公は大人ではなく、虐待を受ける姉弟の2人でした。
映画は事件が起きる前からの2人の状況が細かく描かれています。
時間をかけて描かれる虐待の様子に心が千切れそうになりますが、虐待を受けた子供の様子が丁寧に描かれる事でリアリティと問題提起を受け入れやすくしているのだと感じました。
大人はどうすれば子供を守れるのか。
改めて考えさせられる作品でした。
イバ

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