Tラモーン

ディヴァイン・フューリー/使者のTラモーンのレビュー・感想・評価

4.1
職場の人に『ソジンの家』を紹介されてチラッと観てみたらやっぱパク・ソジュンてカッコいいな〜、ということで前からクリップしてたこちらを思い出し鑑賞。


死神の異名を持つ無敵の総合格闘技チャンピオンのパク・ヨンフ(パク・ソジュン)は幼い頃に父親を亡くし、神を信じることを辞めた。ある日、彼の右手に覚えのない傷ができる。それ以来毎晩のように悪夢に魘され傷から出血を繰り返すようになるが、病院でも原因は特定できない。その傷を調べていくうちに、バチカン市国から来た悪魔祓いアン神父(アン・ソンギ)と出会う。


マジか、予想を大幅に超えてきてめちゃくちゃ面白かった。
かの名作『エクソシスト』は怖くて観てないんだけど、この作品は『コンスタンティン』をめちゃくちゃ韓国味に仕上げて超面白くなってる最高のパターン。

まず悪魔との戦いのシーンが凄くいい。
取り憑かれた人たちの表面に悪魔が出てくる映像はめちゃくちゃ不気味。『エクソシスト』で言うとこのブリッジ階段みたいなビキビキッ!!て感じの不穏でアクロバティックなアクションも迫力ある。
アン神父が祈りを唱えながら十字架を翳したり、聖水を撒いたりするとこはアン・ソンギの演技力のおかげかベテランエクソシストの貫禄があるし、突然聖痕の力を得てしまったヨンフのゴッドハンド除霊×MMAファイトも厨二心をくすぐる。パク・ソジュンの仕上がった肉体もよし。

最初に2人が除霊にいく取り憑かれた女の子(パク・ジヒョン)がすっごく可愛いんだけど、悪魔が出現してからの変貌っぷりが凄まじくて、やっぱこの辺の振り切り方は韓国さすがだな〜って感じ。あんな可愛い子が血塗れでアヒャヒャヒャヒャヒャ!!って笑いながら天井張り付くんだもんな…。

神を信じない若き格闘家×敬虔で心優しき老神父というデコボコバディ感もたまらない。2人が初めて一緒に悪魔を撃退した後の出前を取って一緒に食事をし、酒を飲むシーンがめちゃくちゃよかった。幼いころに父親を失ったヨンフが、どことなくアン神父に父親を重ねた気持ちが確信に変わった名シーン。

ヨンフのよき理解者となったアン神父の言葉が慈悲に満ちていて本当素敵なんだよなぁ。

"愛せないものには憎しみが湧かないものだ"
"ついでに神を信じてみては?"
"神は君を信じているようだ"

2人を引き裂こうとする悪魔の揺さぶりにも揺るがなかった2人の信頼関係。
アン神父を救うため、ヨンフが譲り受けた祭服に身を包むシーンのカッコよさ!バイクで疾走する姿がまた厨二心を再度くすぐってくるのよ。

ハイライトの格闘家設定を活かした敵地に乗り込んでのアクションはさすがのカッコよさだし、悪魔祓いの青白い炎で右手が燃えるなんて臭すぎるほどの厨二設定だけどここまでやり切るとやっぱカッコいいんだよなぁ。

黒幕(ウ・ドファン)の目的はよくわからないんだけど、悪魔に魅入られて最後は結局身も心も捧げてしまうってとこはビジュアルも含めて不気味でよかった。そして彼の醜悪さ以上に悪魔の得体の知れなさに震えるしかないあの最期はヤバい。

そしてあの感動的なラストシーン。ヨンフが長年求めた愛はそこにあった。

"父に抱きしめてもらいたい。それが唯一の願いです"


ちょい役かと思いきや途中から再登場してくれるチェ・ウシクもよかったね!
エンドロール後のエピローグからしてチェ神父がもっと活躍する続編があるのか…?
Tラモーン

Tラモーン