すぽんてぃにあす

8番目の男のすぽんてぃにあすのネタバレレビュー・内容・結末

8番目の男(2018年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

疑わしきは被告人の利益に。

法廷もので陪審員目線の作品。
すこぶる面白かった!陪審員制度に関しての知識が皆無なんでリアルかどうか全く判断出来なかったけども!
でも実話が基だし、いろんな目線で楽しめる内容だった。

人間とは罪深い生き物だと心底思っているけど、正義感というものも誰もが携えていると信じているよ。
私利私欲で自己中心的に物事を都合良く考えてしまう心理、これって他者に危害を与えないことを前提としたら誰でも当たり前に考えているんじゃないだろうか。
他者が介入したら脳内で線引きを始める、努力や妥協のラインを決める、あくまで合理的に。
それが社会に溶け込む人間の性だと思う。
それを逸脱して正義感に駆られる人間の本能を目の当たりにした。

陪審員ってここまで出来るのかなという疑問もあるにはあるが、いかにも優柔不断そうな主人公が周りの人をどんどん動かしていく展開が熱い。
有罪かもしれないけど無罪かもしれないよね、このかもしれない理論って常日頃から考えているから凄い入り込みやすかった。
周りに流されず「分からない」と言えること。
分かってもいないのに白黒付けたくない強い思いには目頭を熱くさせられた。

ある程度物語が進んでしまえばクライマックスの意外性こそ大人しく感じてしまうが、下心もなく純粋に間違いを正して誰かを助けたいという熱意、どんな人でもそんな人間性を秘めているのかもしれないなと考えさせられた素晴らしい作品でした。