Sachika

天国にちがいないのSachikaのレビュー・感想・評価

天国にちがいない(2019年製作の映画)
3.8
パレスチナ出身のスレイマン監督と旅をしながら、(ブラック)ユーモアたっぷりに、この美しくも暴力的な世界を見つめ直す。
どこでも起こり得ること、でもちょっとおかしな日常。
クスリと笑って観ていても、どこかでハッと真の意味に気付かさせられる。
監督の何か言いたげな表情が何とも素晴らしい!

世界には多くの人種の人々がいて、各々のアイデンティティや民族性を持っている。
彼ら町行く人々は、誰も「パレスチナ」について日々関心がないまま過ごしているかもしれないし、問題を見えないふりをしているかもしれない。
しかし無意識の中で、世界に何かが起こっている事を、監督と同じ目線でわたし達は知る。

単純に美しいシーンの一コマだけを切り取って観るのも一興。
この映画の意味がわからなかったな、と考えを終わらせるのも自由だと思う。
でもきっと後から何か気づくことがそこにあるはず。
わたしは単純に、天使が追いかけられているシーンが好きになったよ。
Sachika

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