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燃ゆる女の肖像のmushiのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ほんとうに素敵で余韻の残る作品でした。

エロイーズはちょっとずるくて愛らしい女性だなと思った。自由でなかった生活の中に散歩という自由や一人での外出をさせてくれるマリアンヌに特別な感情を持つ過程がとても自然で素敵でした。初めてキスしたくなったときのことをマリアンヌは答えたのにエロイーズは何も言わなかったり堕胎のところで目を逸らすマリアンヌと直視するエロイーズ。ひたすら対比していたように感じた。
マリアンヌはきっと心の底からエロイーズのことが忘れられなくてずっと愛しているんだろうな。それとは真逆でエロイーズは結婚前の火遊びに過ぎなかったのかな。もちろんお互いがとても愛し合ってはいたと思うけどエロイーズの方は割り切って進んでいるように感じた。ラストで振り返らなかったのは目の前にある音楽に夢中になっていたから過去のこと(マリアンヌ)には気を取られなかったのかなって。

終わってから気づいたけど音楽2曲くらいしかなかった?波の音やスケッチする音など細かい音が綺麗で余計な音が入ってないからすごくスッキリしてました。途中のお祭りのところがすごく印象的で他国の言語だし馴染みのない映像ばかりだったけど音って世界共通で馴染みのあるものなんだなとおもった。

なにより映像が、とてもきれいだった。どこを見ても美しくてスクリーンで見てよかった。

登場人物がかなり少ないけどその中での人間模様がとても素敵だった。
もちろんエロイーズとマリアンヌはもちろんだけど途中の3人でのシーンはずっと見ていられるほどにいい関係だなと思う。使用人?目線での物語を是非みたい。

衣装固定なのが誰かがわかりやすくてそこに意識を持っていかなくていいから物語に集中できた。素敵な衣装だったな。

途中ドレスに火が移ったのはマリアンヌの想いがエロイーズに伝わったってことなのか…な?マリアンヌの側には火がある印象だったけど関係してるのかな。気になる。

28ページ。なんて素敵な発想なんだろう。後に再会したのは絵の中で子供と一緒に描かれていてなんだかすごく苦しかった。幸せな彼女を見ることが出来て嬉しい反面前に進んでいるようにみえて28ページをいつまでも大切にしているところが苦しい。未来と過去が一緒になっているようで割り切っているように見えた。

途中ゆっくりですごく眠かった。寝なくてよかった。劇的な展開が続くわけじゃないので集中し続けられなかったのが悔しい。

感想は書き足りないので追加していきます。
もうすぐにでも2回目を見たい。ほんとうに素敵でした。
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