さいとう

燃ゆる女の肖像のさいとうのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
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劇中のどこを切り取っても絵画のような作品。

けれど、ただ美しいだけではない。
決して言葉は多いわけじゃないけど、表情、空気感、音楽…全てに圧倒される感覚。

全体を通して静かなトーンが続く一方で、登場人物達が抱えるそれぞれの温度や激情みたいなものが儚さと共にじわじわくる。
直接的な台詞とか描写は少ないけど、女性への抑圧がはっきり描かれてるのすごい。

マリアンヌ、エロイーズ、侍女ソフィ。
3人のシーンは可愛らしい女子会みたいな微笑ましさすらあるのに、圧倒的に切ない。特にソフィの哀愁よ…。

永遠に記憶に残る愛って幸せなのか、不幸なのか、どうなんだろうなぁ。

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画家のマリアンヌは結婚を控える貴族の肖像画を描くため、離島へとやって来る。しかし、肖像画のモデルであるエロイーズは結婚を拒んでいた。最初は密かに肖像画を描こうとするマリアンヌだったが、共に時間を過ごすなかで2人は特別な感情を抱きはじめる。