Yukiko

燃ゆる女の肖像のYukikoのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.0
2021年6月7日
『燃ゆる女の肖像』   2019年フランス制作
監督、セリーヌ・シアマ。

18世紀後半、フランス。
マリアンヌ(ノエミ・メルラン)は画家。
ブルターニュの貴婦人から、伯爵令嬢の見合いの為の
肖像画を依頼される。
マリアンヌはブルターニュの孤島に行き、その屋敷を訪れる。
伯爵令嬢はエロイーズ(アデル・エネル)。
マリアンヌは画家であることを隠し、散歩相手として
エロイーズに接近し、肖像画を描くためにエロイーズを
観察する。



登場人物のアップが多い映像。
特に、祭りの日の夜、焚火に集まる人々のアップが多過ぎて、
何の祭りか、周囲はどうなっているのか、どのくらいの人数が
来て集まっているのかの情報が得られず、アップ過ぎて
ストレスを感じる程だった。
相手をじっと見つめることが多いから、アップが多いの
だろうか?

女性同士のロマンスにしては泥臭くなく、きれいに、
硬い感じで描いている。
硬いイメージがあって、本当に女性同士が愛し合っている
のか、訴えるものが伝わらず、不思議な感じもした。
きれい過ぎて、絵を観るようだ。

バックの風景、海、砂浜の映像がいい。
草原の映像もいい。

驚いたのは召使いの堕胎のシーン。
堕胎することに反対を言う人はいず、協力しているし、
更に付き添って傍で堕胎シーンを見ている。
堕胎している同じベッドに、生まれて間もない赤ちゃんが
遊んでる??
更に、それを絵に描く・・・・この辺、目が点になった。
すんなりと、受け入れがたいシーンの連続・・・・

しかし、皆、悲しんではいないのね。
堂々としている。
マリアンヌも過去にこのような経験があると言っていた。
このようなことがあっても、乗り切って自立して生きる、
というようなとても前向きなマリアンヌと召使い。
逞しい。

逆に、エロイーズは何年たっても、子供ができても
マリアンヌのことが忘れられないのね。
昔、そういうことがあったわね~、青春だったわぁ~って
懐かしむだけならともかく・・・・引きずっちゃうのねぇ。

エロイーズにとって、生涯一度の恋だったのかなぁ?
Yukiko

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