あなたを観察して見ている時、それは見られているということでもあるのだ、と改めて感じた時間が幸せだった
人を見つめている時、自分も見つめられている、その交感作業によって、恋の複雑性が増していく
そして愛し合うものの面倒くささ、わかりにくさが映画を通してスッと胸に入ってくる、ああ、誰かを愛すってこういうよくわからない感覚だったなあ、と
愛そのものを観る、体感するという時間
自由へと解放されていく過程と、別れという終わりが常に背後にある刹那性をうまく継続しながら話が進んでいき、最後には、後悔しないで思い出して、振り返って、と決意の込められた言葉で締め括られる
ラストカットでは私を見ることはなく、涙と微笑みが浮かび、美しいと感じるままに終わる
私一人じゃ笑い合えないわ