たぬき

名もなき生涯のたぬきのレビュー・感想・評価

名もなき生涯(2019年製作の映画)
3.8
映像美と詩的な台詞が淡々と続く映画。好きな人と苦手な人が分かれるかと思います。私は結構好きな方ですが、それでも3時間は少々長いなという感じです。

それはいいとして…
最大の違和感は、なんで英語なん???
主人公に対して話しかけたり耳に入ってきたりするような言葉は基本すべて英語で、その他のモブ(言い方…)がガヤガヤしている時なんかはドイツ語になっていました(1人イタリア語喋ってるおじさんもいた)。そして日本語の字幕は英語にしか付かない…。おそらくフランツの心に入ってきた言葉とか、彼と他の人々の意識の違いだとか、脚本も書いた監督はアメリカ人なので英語で書かれたものをドイツ語に翻訳すると本来のリズム感等が損なわれる、とかの理由だと思います。
そうは思うのですが、やっぱりドイツ語ネイティブの俳優を使ってオーストリアを舞台にしていて、ドイツ語の空間のが出来上がってる中、急に主人公絡みでだけめっちゃ英語話されるとすごい違和感です。表現したい事柄によって複数言語を使うのは手法として面白いとは思いますが、この映画で成功しているかと言われると正直微妙だなと感じました。ドイツ語圏の方が観るとまた違うのかもしれません。
ブルーノ・ガンツは裁判長さんでしたが一瞬ヒトラーの役を思い出してヒュッとなりました。
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