たぬき

国家が破産する日のたぬきのレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
4.5
つい20年前ほど前のことでもここまで力を入れて再現し、かつエンタメとしても面白くできる韓国映画界に脱帽です。主人公などは創作っぽいですが、概ねの筋は実際に韓国社会に起こったことを忠実に描いていると思います。
経済の話いうと難しく考えがちだと思いますが、結局この通貨危機の原因は、韓国政府の管理能力を"投資家が疑問視した"ことだけであり、実際の管理能力がどうだったとか以前の次元です。経済とはいとも簡単に変容し、普通に生活していた善良な人たちが、海の向こうの"投資家の感情"によってどん底まで落とされてしまう資本主義社会の危うさがよく分かります。

一部大企業との癒着による政府のIMF受け入れ、IMFとアメリカとの癒着、さらに現在進行形の問題まで踏み込んで映画を作れるとは…ただただ感心しました。日本で同じクオリティの映画を撮れるだろうかと考えると悲しくなります。
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