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バクラウ 地図から消された村のblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.6
バクラウはブラジル山間部の寒村、少ない住民達は長閑に仲良く暮らしてる。しかし長老カルメリータが亡くなると次々に不審な出来事が。
アダムスキー型UFO🛸と見紛うドローンが飛び回る。農場の馬達🐎が脱走して村を闊歩する。Google Mapから村の存在が消える。電波が不通になり通信障害が。給水車のタンクに弾丸が撃ち込まれる。
凶事のトーンが強くなりやがて村人が殺害される事件が続発。
誰が何の目的でこんなことをしてるのか?村人達の命運や如何に!?

こんな感じだからシャマランの映画みたいな大オチのあるオカルト・ミステリー・スリラーかと思ったけど、物語はまったく違う展開を見せる。だから結局、意表を突かれたからシャマランの映画観たような驚きはあるんだけど、繰り返すがそういうのじゃないんだよ。

じゃあ、何かと言うと以下ネタバレ含むのでまっさらで観たい方はご遠慮ください。






この村に起こった一連の出来事、オカルト的な怪奇現象に見えるけど、実は全部人為的なもので、ある集団がある計画のために行ってることが明かされる。
要は村人達を恐れさせて村から人を追い出したいんだけど、そのために殺害までやるからただの地上げ屋じゃないんだよね。彼等は男女8人ぐらいのグループで殺人にも躊躇いのないサイコパスみたいな連中で見た目は普通の初老だったり青年だったりなんだけど言動や行動から異常だと言うことが分かる。
この演出が巧みで、車で村を脱出しようとした村人を射殺した女は気分がハイになって一緒に行動した男を誘ってセックスを始める。夜とは言え野原だしおまけに仲間達がドローンで監視する状況で笑 騎乗位で腰を振りながら「サイコー😃⤴️⤴️」と叫ぶ、、このシーンでどんだけアカン連中か分かるよね。異常性に戦慄するし胸くそ悪いよ😨

こんな殺人狂軍団に襲われたら村人達は一溜りもないと思い、これから起きる惨劇にハラハラしてたら、なんとバクラウ村の人達は全員、腹の据わった戦士気質でかなりあっさり殺人集団を返り討ちする。思ってもみなかった展開に完全に殺られた!
そうこれは所謂「舐めてた~が実は殺人マシーンだった」映画なんだよ。「舐めてたド田舎の村人達が殺人マシーンでした」映画だよ笑

ストーリーテリングもいいけど、映像も独特の個性や拘りを感じるユニークさがある。
テンポがゆっくりで全体的に淡白なタッチなんだけど殺人シーンになるとタイトで激しくグロくなるからギャップが強調させて強い衝撃を受ける。計算してるのが分かる。
少ないけどゴアは気合いが入ってる。弾丸で顔面が吹っ飛ぶし、マチェーテで首を切断する。
それまで素朴な人達にしか見えなかった村人達がこれらを毅然と手際よくやる(殺る)からインパクトが凄い。
かなり怖いんだけど妙にユーモラスなとこもある。山小屋を放火され殺されそうになった老夫婦は室内に侵入してきた殺人集団の二人を手もなく銃撃して返り討ちにするんだけど、何故かこの夫婦二人とも全裸なんだよ笑 リアルに弛んでシワシワな全裸の老人が銃器を手馴れた感じで構える姿には変な笑いが込み上げた笑
でも、何で全裸にしたかね?意図が分からないよ笑 ちなみにお爺ちゃんの“イチモツ”ノーモザイクだった😂
切断した殺人集団の首を並べて村人達がヌボーっとした表情でそれをスマホ撮影してるシーンもシュールでおもしろかった😂 Instagramにアップするのかな?

なんか思ってたのと違ったけど、独特のクセと雰囲気のある映画で楽しめた。
映画なんだけどウド・キア以外俳優らしい華のある人が皆無だから、実は映画ではなく本人達による事実の再現フィルムで、バクラウ村も村人達も実在してるんじゃないかという気持ちになったよ。バクラウ最高🤩
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