まーしー

バクラウ 地図から消された村のまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
初めてのブラジル映画。何ともジャンル分けの難しい作品だった。

物語の舞台はブラジルの架空の村バクラウ。連絡道路があるだけの秘境の地。
その地へ向かう女性を乗せたトラックが、道端に転がった棺桶を踏みながら走行するという、衝撃的なオープニング。
そして、女性が村に着いた後も、公衆の面前で絶叫する女性が登場するなど、不穏な空気が漂い、『ミッドサマー』を彷彿とさせる。

ホラーテイストのような序盤だが、ここから私の固定概念が覆される。
SF、バイオレンスアクション、ウエスタンのように、目まぐるしく変化する内容。
全裸の人々の登場、容赦ないグロ描写など、映像も過激。
先行きが全く読めない。その読めなさが怖くもあり、興味深くもある。
そして、次々と登場する謎の人物たちの正体や、サブタイトルになっている「地図から消された村」の意味などが、終盤にかけて明らかとなる。この爽快感・納得感が心地良い。

水や電気の供給が不安定で、道路はアスファルト未舗装の秘境の村。
一方で、村人たちはスマホを使い、ネット検索をしている。
この発展途上な部分と先進的な部分の混在が新鮮。

こうした予測不能な展開と不気味さ・新鮮さに惹きつけられ、あっという間に130分が過ぎた。
恐るべしブラジル映画。
ハリウッド映画に慣れていた自分にとっては、予想を裏切られっぱなしの作品だった。