こなつ

しあわせの百貨店へようこそのこなつのレビュー・感想・評価

4.0
2018年のオーストラリア製作コメディ/ヒューマンドラマ

1959年のシドニーを舞台に百貨店のドレス売り場で働く女性達の人生をユーモラスに描いている。

温かで観ていて癒される優しい作品。
あの時代のファッションが十分楽しめ、路面電車が走るシドニーの古き街並み、そこで暮らす人々の楽しげな溌剌とした生活が物語を通して心に沁みる。

ヨーロッパからの多数の移民と自由に目覚め始めた女性達により、オーストラリア社会は大きな変化の時を迎えていた。
高校卒業を控えた内気な娘リサは、シドニーの名門「グッズ百貨店」でアルバイトを始める。そこで働く艶やかで魅力的なドレス売り場の女性達がリサの人生を大きく変えて行くことになる。

眼鏡をかけた野暮ったいリサが、どんどん大人っぽくなり成長していく姿を、アンガーリー・ライスがとてもキュートでチャーミングに演じている。

ヨーロッパから移民してきた人々の戸惑いながらもオーストラリアの生活に馴染もうと力強く前に進んでいく様子、移民たちとの交流で新しい体験をしながら受け入れていこうとするオーストラリアの人々。

悪い人がひとりも出て来ない。相手を批判したり、自分の考えを押し付けたりする人がいない。相手を想う優しさや温かさが回り回ってその人達を幸せにする。そんなことを感じる作品でした。
こなつ

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