このレビューはネタバレを含みます
まんまTVドキュメンタリーを観ているようでした。
時間に追われ、上司に罵倒され、理不尽な暴力に遭い…。
ただ救いなのは、まだこの家族はギリギリ絆を保っていることでしょう。悩みの種の長男が最後父親を止めにいくシーン、普通に観れば非常に切迫した場面ですが、私はほっとしました。
ラスト、父親はどこへ向かったのか。あの父親であれば馬鹿な真似はしないと思います。
イギリスの労働者階級の実態が垣間見える映画でした。これが資本主義の成れの果てだとしたら、この先人間の尊厳はどうなってしまうのでしょうか。何でも自己責任、力のあるものが弱者を踏みつけてのさばる社会。良くないとわかっていてもどうすればいいのか…。
もどかしくなります。
K.ローチ監督には、身体に気をつけてまだまだ頑張って、弱者に寄り添う映画を撮り続けてほしいです。