効率重視の社会で、人が人らしく生きられなくなっていく、その哀しさを描いた作品。
セブの思春期の微妙なこころの動き、時折見せる優しさがとてもリアリティーをもって感じられた。
日本では母親が子どもに関わるのが常だけど、よそは父親が要になっている。映画を見ながらも日本での家族の希薄さを改めて感じた。
家族それぞれがお互いを大事にしたい気持ちがありながらも、どんどんすれ違っていくそこががとにかく切ない。最後には絶望が広がるけれど、止めようのない、衝動も感じて、何かに侵食されていく人をリアルにみた感じがした。
訴えかける力強さを感じた映画だった。