なつ

家族を想うときのなつのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.5
マイホーム購入の夢を目指すターナー一家。父親のリッキーは宅配ドライバーとして、母親のアビーは介護士として働く日々。家族のために…と働くがいつの間にか、その仕事が家族の時間を奪い、子供たちは寂しさを募らせてゆく。仕事と子育てで忙しいときリッキーがある事件に巻き込まれるというストーリー

前作、私はダニエル・ブレイクに引き続き
現代の社会問題をこれでもかと描いた作品でドキュメンタリーのようなリアルな映画だった

本作はイギリスが舞台だが日本だってこの社会問題と全く同じことがおきている。立場の弱い人たちが社会から追いつめられていき行き場を失う姿を見て不条理な世の中だと思ってしまう。
売り上げのため、利便性が全てとなり、従業員の日々の生活が成り立たない。まるで機械のように働くリッキーには観ていて苦しかった。

家族のために働いているがそれが裏目となり家族がバラバラになっていく流れはなんともみていて切ない。
また車のキーを無くしたとき、娘が両親に真実を告白するシーンは涙なくしてみられない。
昔のような家族に戻りたいと。

息子は両親に反発して学校に行かなくなったり、警察のお世話になったりと悩みのタネとなる。だがよくみていると息子も両親を想って行動するようなシーンがあった。
娘と息子それぞれの良さがある子供たちだ。

これからのターナー一家がどうなっていくのか気になるラストだった

現在、コロナの影響で失業など格差社会が進むであろうときに観るにはいい映画だったと思う
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