ごろちん

その手に触れるまでのごろちんのレビュー・感想・評価

その手に触れるまで(2019年製作の映画)
4.0
楽しみにしていたダルデンヌ兄弟の新作!カメラがワンテンポ遅れて被写体を追うスタイルは健在で、予測がつかない展開にはいつものようにハラハラさせられた。

ベルギー国内で起きた無差別テロから宗教に関わる作品の制作を考えたというダルデンヌ兄弟。今まで他者との関わりから気持ちに変化が生じた人たちを撮り続けてきた監督にとって、繰り返されるテロの悲劇を生まない方法はないのか、と監督なりの答えを映画で表現したかったのだと思う。

何かに心酔し切った思春期の子どもは親の忠告に耳を貸そうなんて気には普通ならない。アメッドもその一人。イスラムの教えにどっぷりハマった少年に対して、世の中の多様性と命の価値を理解させるために、大人はどう接し、どう行動すれば良いのか、監督の出す答えを想像しながらスクリーンをじっと眺めていた。

邦題の『その手に触れるまで』はキレイな題名だけど、展開が読めてしまうのはちょっとね…。原題のままの方が良かったと思うぞ。絶対。

ラストシーンについてはコメント欄で↓
ごろちん

ごろちん