TAK44マグナム

集団殺人クラブ 最後の殺戮のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.0
タケゾウが欲しかったもの、それは・・・


タイトル詐欺も甚だしい「集団殺人クラブ」も四作目にして遂に完結!
監督がもとに戻り、今までで一番不条理な世界が観るものを困惑させます。
分かったような分からんような・・・殺人妖怪おじさんタケゾウが一体何を求めて何百年間も生きてきたのかが判明する衝撃作ではあるのですが、観終わっても「だからどうした」ってなること請け合いのワケのわからなさ!


不思議な力をもつJKの吉野紗香は、親友の中村愛美を不良グループから引き離そうとして逆に捕まってしまう。
連れてこられたのは、いつものあの別荘(またかよ!)
そこでレイプされそうになる吉野紗香であったが、そこへタケゾウが、突如としてうっす〜い壁を突き破って現れ、不良たちを追い出すのであった。
助けてくれたタケゾウと友達になる吉野紗香。
一方、中村愛美は可愛さ余って憎さ百倍!裏切り者の吉野紗香を許さない!と吠えまくり。
吉野紗香を巡って、タケゾウと不良グループの対立が激化する!
タケゾウは不良たちを次々と殺害、何故かリーダー格の武田航平には「君は敗北を知らないから教えてあげる」などと格好いいことを言いながら相撲をとりはじめる。
何故に相撲?
そして簡単に負けるタケゾウ!
しかし、勝手に第二ラウンドを宣言、今度は凶器攻撃を繰り出し反則勝ちをもぎとるタケゾウ!
武田航平に敗北の味を教えるが、めちゃくちゃ卑怯なタケゾウであった!

心優しい吉野紗香はタケゾウの凶行をとめようとする。
はたして、殺人鬼モードに入ったタケゾウを止めることができるのであろうか?


今回はJKがそこまで酷い連中じゃないのに、タケゾウの身勝手で殺されてゆく感じで、前作までとは雰囲気がだいぶ違います。

タケゾウの内面に切り込んでいて、そこに吉野紗香が絡んでゆく展開。
彼女にも秘密があって、終盤にかけてはビックリするサイキックバトル(??)が見られますよ。
チープでビックリなんだけども!

相撲をとるシーンでは、明らかに武田航平がグニャグニャの人形だったり、タケゾウが吹っ飛んでゆくところもタケゾウが人形だったりと、昔の映画では崖から飛び降りると人形だって丸わかりでしたけど、あんな感じでグニャッグニャ(苦笑)
どれだけテキトーな作りなのか、この人形のヘナヘナ具合からも作り手の本作に対する情熱の軽さが垣間見えて最高です!

ほかに特徴として、タケゾウの殺しがどこか必殺シリーズを想起させますね。
全身の関節をボキボキにするとか(レントゲン映像?あり)、傘で居合斬りとか。
相手を傘で刺して、傘を開いて返り血を浴びないようにするのは、どこかの映画で観た覚えがあるので定番なのかも?
ここら辺りのエンケンさんは単純に格好いいです。
やってることは最低だけれども。

完結編とあって、タケゾウの物語に一区切りうたれます。
なんだかこれもどこかの映画やドラマで見たようなラストシーンですけれど、一応全作観てくると感慨もありますね。
しかし、最後の殺戮と銘打っている割には少し大人しめなので、もっと異常なぐらい暴れてくれても良かったような気もしないでもなく、やはり一作目や二作目のテンションがピークだったんじゃないでしょうかね〜。
あと、正直、吉野紗香と中村愛美の関係は蛇足じゃないかなぁ。
タケゾウがJKをボコボコにしまくって、ハイおしまい!
でも、吉野紗香は殺せなかったよ・・・みたいにシンプルでも悪くなかったんじゃないかと思いました。

何にせよエンケンさん、こんなよく分からない怪人の役なのに一生懸命演じられて、本当にご苦労様でした〜!


GYAO!にて