永遠の寂しんぼ

エターナルズの永遠の寂しんぼのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.4
『2021年神々の旅』

僕はアメコミ映画の好みは結構ズレてて、アイアンマンとかスパイダーマンみたいな王道ヒーローよりも、ドクターストレンジとかワンダみたいなファンタジー寄りの変化球ヒーローのほうが好きだったりする。なので本作はMCUの中ではかなり好きなれた方。ただ公開当時観た時のワクワク感と今になって見直した時の感想はちょっとズレている感じもある。映像の美しさがウリの作品だけに劇場鑑賞補正が入ってしまったんだと思う。

映像は最高。監督がクロエ・ジャオだけに『ノマドランド』みたいな広大な風景やエターナルズ、セレスティアルズ周りの神々しいヴィジュアルは素晴らしかった。この『エターナルズ』の世界観が、宇宙レベルの創造主とか地球レベルの異変とか世界の終わりとか、非常にエヴァっぽい感じが重度のエヴァオタクの自分にはかなり刺さった。決戦後のあの風景とか完全にエヴァだったし。あとは『幽遊白書』とかの日本のアニメのオマージュが沢山あって、クロエ・ジャオのオタク監督っぷりが楽しめる一本になっている。

エターナルズのキャラクターに関してはポリコレ臭さはあるし、露骨で物語上必要ないような男性同士のキスシーンとか、ディズニーのLGBTに配慮してますアピールはだいぶ感じてノイズにはなる。が、彼ら自体は個性豊かだし、時間をたっぷり使ってキャラを掘り下げてたのも個人的には良かったと思う。

彼らのヒーローとしての能力とかはアメコミ映画を沢山観てるような人には陳腐なんだろうし、キャラの立った敵とちゃんと戦わずに内輪もめに走っちゃうのも微妙なんだと思う。僕も終盤のディヴィアンツの扱いの雑さはもうちょいどうにかしてほしかったし。とはいえ、MCU追いかけて1年くらいの自分には新鮮で結構楽しめた作品だった。彼らの新生アベンジャーズの合流に期待したい。