さすらいの旅人

トムとジェリーのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

トムとジェリー(2021年製作の映画)
3.4
古きワーナーアニメの定番が実写と融合すると…。
【BS/WOWOWシネマ/字幕版BD録画視聴】

トムとジェリーのアニメは毒と刺があるアニメだと思う。
内容そのものを実写化すると残酷で大惨事になる。しかし、アニメならどんな仕打ちでも許されて、彼らは絶対死なない安心感がある。

トムとジェリーは言葉をしゃべれない。すべて行動と表情で喜怒哀楽を表現する。
良く知られている事だか、言葉をしゃべれない赤ん坊がこのアニメのテレビ画面を知らないうちに興味を持ち、じっと飽きずに観ていることだ。それだけインパクトがあるアニメなのだ。

さて、本作では人間以外の動物はすべてアニメとして登場する。ホテルでの結婚式を中心とする物語だ。アニメと実写の融合は過去からあり、そんなに珍しくはない。ただ、言葉がしゃべれないトムとジェリーの組み合わせは難しい。画面合成の様な技術面は別として、ドラマとして成立するかどうかだ。

案の定、トムとジェリーのドタバタ劇と結婚式を控えたホテル物語は関連性はあるが二重で進行する。このためストーリーが分散されるため正直集中できなかった。
また、本作は明るいヒロインと幸せな結婚式、そして色々な動物も登場し映画全体が非常に華やかである。こうなると、どうもトムとジェリーの映画と言うより、ディズニー映画の感覚に近いと思える。

すこし辛口レビューになったが、トムとジェリーの追いかけっこは相変わらず楽しい。久しぶりに観たが躍動感は全く変わっていない。ワーナーアニメの貴重な文化遺産と言っても良いくらいだ。ただ、上映時間101分はちょと子供にはきついかも知れない。