バリカタ

朝が来るのバリカタのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
4.5
原作未読で鑑賞です。
永作さん出演作なので、予告編が良かったので
ワクワクしながら観ました。
予告編ではサスペンス?と思いましたが大違いでした。
原作未読だと、こーいうのが嬉しいですね。

まず、繊細かつ丁寧に紡がれる物語と、
朝、夕陽、波、海、風の描写が素晴らしく
引き込まれていきます。
当たり前のように、地球が自転している限り
繰り返される毎日のもと、人間は人生を歩みます。
平等に一日は明けて暮れるはずなのに、
その歩みは時には朝陽が届かない場所を彷徨う
事もあるんでしょう。

だけど、きっと、生きていれば朝陽が注がれる
と信じたいし、願いたいです。
そう、この作品は人生讃歌であると思いたいです。

女性監督だから?なのでしょうか?
女性の描き方が心情が痛い程伝わってきます。
また、場合によっては弱者になってしまう、
転がらざるを得ない感じが、見事に表されてます。

演出の妙もあります。
施設の中の映像、プライベートな感じがとってもとっても良く、また演者の皆さんが本当に素晴らしく(まほちゃん役の女優さん凄い!)感情移入度がめちゃめちゃ高いです。
また、話の見せ方が上手いです。立場かわれば、、、ってことですよね。
ホント、僕は最後にごめんねー、あんな風に考えちゃってごめんねー!って涙ウルウルで謝ってました。

そして何より、女優「蒔田彩珠」が素晴らしすぎる!!
志乃ちゃんも良かった、最近では星の子で一際輝いてました。
で、本作品、、、彼女以外はキャスティングできないのでは?とさえおもいました。
いや、皆さんすごいんです。
永作さんと子供の戯れ会話のシーンなんて
親子にしか見えません、はい。

地味な作品ではありますが、傑作です。
沢山の方に観ていただきたいです。

ただ。一点。
ラストの締め方、あれでいいのかなー?
エンドロールは良いんだけど、うん、うん、
そーだよね!って言えるんだけど、でも、でも
もうちょい、リアリティが欲しかった。
それまでは満点だったからちと残念。

辛口すぎるかな?(笑)