レオピン

真犯人のレオピンのネタバレレビュー・内容・結末

真犯人(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『パーフェクト・ドライバー』のソン・セビョク、『幼い依頼人』のユソン W主演

これドラマだったらもっと成功したかもな。時制をいじったりしていてやや混乱するが、二人の迫真の演技がものすごいノイズでw だがどちらかは嘘だ。その感情や態度は作っている。どちらだろうか。そんな風に観ていた。

まぁ、案のJO やっぱりというオチだった。ミステリーといってもやっぱりこの二人の演技が見もの。あと、二人の間でベッドにくくりつけられていたチャン・ヒョクチン
身動き出来ずに目と耳だけで二人の関係性を把握し、自分に有利なようにことを運ぼうとする、彼も中々のプレイヤーでした。

彼女の性格はまさに蜘蛛女 悪意の糸でたぐりよせる 性格診断でいうロードタイプ
いや、性格ではなく明らかに妄想性のパーソナリティ障害ではないか。早くに両親を亡くして姉妹だけで育ったゆえの疑り深い性格、それに自閉的内向的な性質が折り重なっている。。

家族ぐるみのつきあいが苦手という人は割に多い。旦那や妻の友人までは許せるが、そのパートナーや子ども同士とまであまり近しいつきあいをしたくない。彼女にとっては夫と子どもの三人だけ、家庭内鎖国の環境が一番居心地がよかったのだろう。

だが悪いことに夫がメチャ社交的で、大学時代の親友を近くに呼び寄せたりして、親密な交際をしだすからいけない。これは浮気以前の問題な気がする。

夫の無実を信じる容疑者家族という仮面をまとい、絶対的安全な立場を手にしたその瞬間にほくそ笑む。自分のお腹を突き血まみれの海の中で彼女は勝ちを確信した 勝ったッ 第3部完!

冒頭でヨンフンが、ダヨンに対してあなたは身勝手な人間だと叫んでいたが、夫が一生刑務所に入れられるのは困る。家庭が崩壊するのは困る。ほんとにただそれだけの理由、どうしようもなく身勝手だった。

浮気の代償として、ダヨンの夫は髪の毛1本であやうく一生刑務所に入れられかけたが、ヨンフンは己の復讐感情のせいで遠い場所へと追いやられた。 

引いてみれば、真相は刑事の見立てどおり痴情のもつれ。
だけどアンタ 一番漏らしてはいけない相手にペラペラ喋ってたんだぞ。そうでなくても、ヨンフンに男の住所をメモで渡していた。あの時白封筒受け取ってたし🙅✉️💰
この韓国映画でお馴染みの封筒 袖の下文化。これがあると一気に警察の信用も下がる。オープニングの現場検証をうまく取り入れたクレジットは静謐でとてもよかったのに。

またこの刑事は名言を吐いていた。
絶対にありえないなんて台詞を吐くのはいつも詐欺被害者だ
今が一番どん底だと? 失うものはないと? 分かりませんよ・・・

このシビレル台詞。確かに そしてそれは当たった。。

既に廃人同然となっていたヨンフン(スマホで妻と映る写真がキラキラでまったく別人というのがなんとも)だが、周り回ってついに悟りの境地へ 笑うしかない
 
思えば人類の歴史の中では冤罪によって獄死刑死した人間は山のようにいる。こうなれば悟りでも開くしかない。頑張れ。
レオピン

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