dai

だれもが愛しいチャンピオンのdaiのレビュー・感想・評価

3.7
英題はCHAMPIONS

邦題および英題が複数形である理由は鑑賞後に納得に至る。

プロバスケットボールチームのサブコーチだったマルコはヘッドコーチと戦略方針で揉め、暴力沙汰を起こす。憤怒しバーで酒を喰らい、車で帰宅する際、パトカーのサイドミラーを吹っ飛ばし、挙げ句の果てには先回りしたパトカーに突っ込む。飲酒運転、免停、公務執行妨害と罪は重なる一方。
裁判所の決定によりマルコは奉仕活動を行うことになるのだが、その行き先は知的障害者のバスケットボールチーム。当たり前の指示が当たり前に通らないその環境でマルコはイチからチーム作りに奔走する。

2018年のスペイン映画において興行収入一位の映画らしい。

知的障害者を題材にした映画なのだが、いわゆる御涙頂戴路線の映画でなかった。彼/彼女らはいわゆる障害者だが、その一方で正常とされてるマルコも人として「障害」を抱える「者」であるということだ。

マルコは高齢出産のリスクから子作りに踏み出せない。そのことで奥さんとたびたびぶつかるのだが、障害者の一人が言った一言が胸を打った。

「僕は自分の子どもが僕みたいな(障害のある)子どもだったら嫌だけど、僕が子どもだったら父親はあなた(マルコ)がいい」
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