ギルド

スターフィッシュのギルドのレビュー・感想・評価

スターフィッシュ(2018年製作の映画)
4.0
【断片的な記憶の想起と感情の積み重ねに立ち直る道あり】
■あらすじ
親友グレイスを失ったオーブリー。 悲しみに耐えきれずグレイスの家に忍び込む彼女だったが、翌朝目覚めると人々の姿が忽然と消え、見慣れた街は怪物が闊歩する異様な世界に変貌していた。
これは現実なのか幻なのか? わずかな手がかりはトランシーバーから漏れ聞こえる男の声。 そしてグレイスが遺した1本のカセットテープ。 街のいたるところに隠されたテープを集めて信号を解読すれば世界が救える。

親友が遺した謎のメッセージを信じて オーブリーは決死の覚悟で扉を開けて外へ飛び出していく・・・・・・。

■みどころ
アニメーションにSFホラーにラブロマンスに様々な世界線がカセットテープの入れ違いで変わるような閉じた世界が順繰りに変わる不思議な映画。

作画やジャンルも変わり代わり進んでいったり、SFの描写も中々に凝られている面白い映画でサンプリングのように映画が進んでいく作品でした。

そういった中で友人の喪失と世界を救う話が段々とリンクしていく。
物語自体は静かに進むけど、印象的なシーンにカセットテープを繋ぎ合わせて世界を救済するワード「FORGIVE+FORGET(許して忘れよう)」がある。
その直後に未知のゾーンが形成するに、自身の精神世界での後悔・怒り・受容・前進は断片的な記憶の想起(体験)で進む。 主人公が見える世界はマクロなものではなくミクロな世界に見えていき、感情がそのまま反映する。
そういった精神世界とリンクしていくところは面白いし、友人の喪失に立ち直るきっかけが断片的な記憶とそれに付随する感情なのも独特な世界観を形成する魅力として描かれていたと思います。
バラバラな記憶とそこで得た感情が違う形に蘇って前進する道を形成していくのは素敵だなぁと感じる、そんな映画でした。
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