竜どん

犬王の竜どんのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.6
南北朝時代能楽の大家観阿弥と人気を二分した幻の能楽師犬王こと道阿弥の生涯を描く。
FunkyかつGroovy感がスゴい。伝統芸能には伝統芸能の良さがあるとは思うが、当時こんな狂騒エンタメを見せられちゃあ民衆は熱狂するであろうな。

時の頂点義満に寵愛を受けながら謡曲が現代に一切残らない犬王の生(せい)の有りようは、その人気と新時代の開拓者の台頭を恐れた為政者によって歴史に封殺されたものだというのもあながちフィクションとは言い切れなかろう。
「俺達はここにいる。」
自己の存在意義とその儚さをネオン色煌めく極彩色と外連味タップリの楽曲で描く湯浅政明意欲作。松本大洋の絵柄は好みが分かれそうだが、変にオタク向けにするより物語に合っていると思う。声を俳優(ミュージシャン)に大振りしたのは成功している様なしてない様な…?

追記
犬王の設定は百鬼丸味が強過ぎるかな。
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