これよこれ。映画の理想的なテンポ。
『ブルータル・ジャスティス』を観た時も「このテンポだ!」と思ったけど、それとはまた対照的な意味で理想的。ギリ置いてかれる。だから追う、くらいのテンポ。足疲れた。素晴らしかった。
主人公2人が橋の上で出会って「また(いつか)会おうな!」と別れた次のシーンではもう数年経って親友になってたり、準備のシーンも描かれぬまま大仕掛けの能楽ショーが始まったりと、とにかく省略が凄まじい。それがマリオカートの加速のパネルのやつみたいに作用しまくってて、あっという間に映画が終わった。
作画もめちゃくちゃ面白かった。キリないくらい色んなことやってた。新海誠とか細田守とかがスタンダードになってきてる中で、ある意味不良っぽく、それでいて斬新にアニメ作ってくる湯浅監督はカッコいい。勝手にギャスパーノエの精神感じた。建物の描き込みすごいけど、背景はシンプルな白とかグレーの単色でスタイリッシュに、みたいなのもすげぇ良かった。
和を追求した末に、逆にもう全然日本っぽくなくなっちゃってる、謎に新しい映画。
オリンピックの開会式、湯浅監督が演出したら最高だっただろうな。