このレビューはネタバレを含みます
アヴちゃんが最高すぎた。森山未來さんの声も素敵だった。
琵琶法師の役割は「物語を拾う、そして歌い語り継ぐ」このスタイルが現代ではあまりない感覚。誰かの生きた証を次の世代に繋いでいくのは覚悟と使命がいる。それらを背負って、目に見えないものを次世代に見せようとする姿がかっこよかった。
不完全だった犬王と友魚が出逢うことで各々の本来の姿が完成していく。
見えないはずなのに本質が見えていて、二人だから奏でることができる音がある。
腕塚とでっかいでっかいでっかい鯨ー♪が好き。終始魂を込めて歌っているのが伝わってきた。第一声から鳥肌立ったくらい、犬王の鳴き声?声にならない声でさえアヴちゃんの色が生きていた。とにかくアヴちゃんが最高すぎた。
平家や源氏や足利はよくわかんない。もっと歴史の勉強をしておこうと思ったのと、記者会見でアヴちゃんが「先祖は平家」と言っていて、確かにアヴちゃん神戸の人やもんなぁと納得してしまった。兵庫の歴史は深い。
斬新と言ってしまえば斬新だけど、イロモノのように片付けたくない。そんな作品。
後世に語り継がれない部分にこそ、その人が大切にしたかったことが詰まっているんじゃないか、そういうものに限って風化されてしまったり、思い出されなかったり、だからこそ美しくて、もののあはれとはこのことかと感じさせられた。
完成された美しさよりも、その人にしか出せない色があったり、不完全だったり、どこか自分と共通項があるけど知名度が低く未知数な人の成長していく過程を見守りたいと思う心理。日本感が出てるなと思った。
やっぱりアヴちゃんが最高すぎた。
「ここにあり」って一世一代の自分って感じでいい。
名前を変えながらも、全部その時その時の自分らしさや生き方に合った名を名乗っていて、改名=改命とも取れるなーっておもった。
最期は自分の最初の名を名乗るんやけども、その頃の自分を探してくれる人がいるってええなぁ。
#アヴちゃんが最高