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犬王のryoのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.4
個人的に湯浅監督があまり合わないのだけれど、今作はやってくれるんじゃないかという思いがあった。「あの丸頭のオジサンはやれるコだ」と思っていた…。…思っていたけどやっぱり自分には微妙だった…。
クイーンと人間椅子を足したような音楽は面白かったが、ドラマ部分があまりに削られすぎていて『ロック』の暗い部分を描かずにロックを強引に長時間流しているだけという感じがしてしまった。
滅亡した平家の怨念を異端の主人公たちがロックにのせて…という話なのに、異端も、怒りも、反骨も、怨みも、挫折も、ダークなものは明らかに最小限にしてハッピーな部分をフィーチャーしてるから、そんなに暗部を描きたくないなら何故この話作ったの?と思った。

アヴちゃんは良かった。というかその一人のチカラで支えられていた気がする。
個人的にはこのストーリーで松本大洋を引っ張り出してきたなら、彼に思い切って脚本も書かせて欲しかった。(野木亜紀子ファンの方ごめんなさい)
素材は良いのに少し残念な作品に感じた。
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