スクリーン2番

生きるのスクリーン2番のネタバレレビュー・内容・結末

生きる(1952年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

余命宣告されて人生の謳歌を始めるって凄く分かりやすい話。「グッバイ、リチャード!」も似たような導入だったけど全くの別物だね。渋さ100%。
勤続30年無欠勤の男が胃癌を宣告されオロオロ。5万円を引き下ろし夜の街へ繰り出してみたり、若い女の子とデートしてみたり。
遊びこそ人生だ!みたいな下らないテーマなら幻滅って感じだけど、まぁ黒澤明だね。そこら辺はもう上手い。天晴れという感じ。
人間いくつになっても戦える!という気概を感じさせる生き様。でもそんなカッコよく舞ってても、コケ下ろす奴は沢山いるんだな。
手柄を横取り、評価しない。
最後に公園で雪にまみれて死んだ渡邉の気持ち、いや全く満足した内心だったと思うけど、生きてる連中に好き勝手言われてる所を見ると、俺の方が悔しくなってきたな。
渡邉が死んで、その生き様に感動して生き方を改めると息巻いていた連中も時間が経てば怠惰に元通り。不甲斐ないが、これが現実。
あゝ無情。
「命短し恋せよ乙女」と聞けば現代人はクリープハイプが頭に浮かんだり「夜は短し歩けよ乙女」を思い浮かべるかなって感じだけど違うんだね。ははーん。
でもなんか黒澤明の映画にしてはパンチ力が弱い?というか、なんかフワッとしてたかも?もう何回か観ないとちゃんと評価できないな。スコアの3・8は仮縫いってことで。